“陰翳があるからこそ生み出される美しさ”
“陰翳があるからこそ生み出される美しさ”
―――黒に囲まれた日常を感じさせない空間に、
丁寧に選び抜かれた家具たちが品よく置かれるリビングダイニングルーム。
家具の先には、闇に浮かぶ波しぶきを彷彿とさせるブラックの洗練されたキッチンが佇む。
「1000年続く和の音を、1000年先まで伝えたい。」をコンセプトに、2008年に和楽器のみで編成されたユニット
“AUN J クラシック・オーケストラ”のリーダーを務める井上 良平さん。
日本国内だけでなく世界を舞台に活躍されるお忙しい生活を送られる中、今一度立ち止まって、ご家族やご友人と過ごしたり、
ゆっくりとした時間の流れを感じるためにこの別荘を作られたという、井上 良平さんにお話を伺いました。
「家を作る前に、このキャビネットを気に入って。それに合わせてテーブルを探し、キッチンやインテリアをイメージしたんです。」
和の繊細な格子が印象的なキャビネットは、インテリアショップで出会い、このキャビネットからインスパイアされるようにインテリアをお決めになったそう。

「和と洋の融合みたいなのを意識してます。」
変わりゆく時代の中で、欧米化された現代の生活と、祖先から受け継ぐ日本古来の文化を調和させる。
和楽器で現代を表現される井上さんらしいお考えです。

「壁を黒にしたんです。そうしたら窓の外の緑がすごく映えて。」
谷崎潤一郎氏の陰翳礼讃(いんえいらいさん)にある、日本古来の美の感覚を大事にされる井上さん。
西洋文化では部屋を可能な限り明るくして“陰翳”を消したが、
日本ではむしろ”陰翳”の中でこそ映える美しさを愛でたという、日本古来の美意識。
壁を暗くして、光と陰の作り出す美しさを意識されました。

白い壁はフレームのようになって緑を切り取る形になりますが、井上さんの黒い壁は、まるで自然の中の陰のよう。
外にあるはずの緑が不思議と内にあるように見えます。

”陰翳”の中でこそ映える緑がそこにありました。
「キッチンには、素材選びだったり、配置だったり、めちゃくちゃこだわりました。YOUTUBEとか色々見て、すごく勉強もしましたし。」
ご自身もお料理がお好きということもあり、男性が立っても様になるキッチン、男性でも使いやすいサイズ感を意識して、シェフになった気分を味わえるようなキッチンを目指したそう。

デザインの美しさはもちろん、収納のレイアウトや家電などの配置といった機能面でも妥協を感じさせないキッチン。
ワークトップに井上さんが選ばれたのはシーザーストーンBlack Tempalでした。

5810 Black Tempal
表面仕上げ:ナチュラル
暗い海の波しぶきや、薄い雲がかかった夜空。
そんな景色がインスピレーションになりデザインされたBlack Tempal。
「触った感じがいいよね。素材感というか。
キッチンにはいいものを使いたかったから。」

5810 Black Tempal
表面仕上げ:ナチュラル
暗い海の波しぶきや、薄い雲がかかった夜空。そんな景色がインピレーションになりデザインされたBlack Tempal。
「触った感じがいいよね。素材感というか、キッチンにはいいものを使いたかったから。」

「生活感がないのが別荘のいいところ。」
冷蔵庫や家電製品を扉の中にしまいこみ、クッカーのダクトも見せない形に。
パントリーへのドアもキッチンの一部のようにデザインし “ものを見せない” を意識されました。

シンクにも同じシーザーストーンBlack Tempalを使ったシーザーストーンシンク。
カウンターから同素材で続くことで、無垢の石から切り出されたような印象。格好よさが際立ちます。

「黒だからか、水垢が目立つかな。でも拭けば綺麗になるし、気に入っているキッチンだからか、頻繁に拭きたくなるよね。」
傷がつきにくい硬さと、低い吸収率をもつシーザーストーン。汚れが素材の中に入り込まず、また、水分も染み込まないので、毎日の簡単なお手入れでキレイが続きます。
バスルームにもシーザーストーンをご採用いただきました。
広く作られた空間を囲うL字型のカウンターが印象的なバスルーム。カウンタートップに使われているのは、温かみのあるグレーに滲み出るようなホワイトの石目が美しい5003 Piatra Greyです。


5003 Piatra Grey
表面仕上げ:本磨き
光沢のある仕上がりが美しい本磨き仕上げのPiatra Grey。
石柄や色味が際立ち高級感のある表情です。
他の仕上げより表面の凸凹が少ないので、
よりお手入れが簡単なのも嬉しい点です。

5003 Piatra Grey
表面仕上げ:本磨き
光沢のある仕上がりが美しい本磨き仕上げのPiatra Grey。
石柄や色味が際立ち高級感のある表情です。
他の仕上げより表面の凸凹が少ないので、よりお手入れが簡単なのも嬉しい点です。
「時計を置いてないんです。」
普段の日常とは違った時間の流れを感じるために、この別荘に来られるという井上さん。

屋外と屋内の境界がまるでないような深い緑色に染まった陰翳の中で、
ご家族やご友人と過ごす、物静かでしっとりとした、時間。
そんな “大切な時間” で人生を満たす。

明るく気さくなお人柄の中に、確固たるご自身を持った潔さがなんとも格好よく、
一言一言を、丁寧に選んで答えてくださる姿勢がとても印象的でした。
お忙しい中、撮影&インタビューを快く受けてくださいまして、本当にありがとうございました。